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要約

 チュウヒの餌は主に小型哺乳類と鳥類で、他に爬虫類、両生類、魚類、昆虫なども餌にする。
 餌内容の割合は、季節や生息環境、チュウヒの性別によって傾向が違う。繁殖期初期にはネズミ類などが餌の多くを占め、繁殖期後期には小型鳥類の割合が増える。また、越冬期にはカモなどの大型鳥類の割合が増える傾向がある。




餌に占める動物種の割合

繁殖期

 繁殖期には、チュウヒの餌の7割ほどが小型哺乳類で、残りの多くは鳥類である傾向がみられる(日本野鳥の会岡山県支部 2002,千葉ほか 2008, 市川ほか 2011,多田 2011)。鳥類は哺乳類に次いで多く見られ、約40〜7%を占めていた例がある(日本野鳥の会岡山県支部 2002,多田 2010, Eduence Field Production 2011)。また、カエルなどの両生類は12〜7%を占めていた例もある(日本野鳥の会岡山県支部 2002,多田 2010)。一方で、8割近くが鳥類だった例もある(三重県 2002)。北海道では、地域によって餌に占める動物種の割合が異なり、哺乳類が67.8%で鳥類が3割ほどだった場所もあれば、哺乳類が37%で鳥類が4割ほどだった場所もあったとの報告がある(Eduence Field Production 2011)。
 また、繁殖期の中でも、時期によって餌内容が変わることも報告されている。秋田県では、6月15日には餌内容が哺乳類42%、鳥類27%、両生類24%だったのが、7月8日には哺乳類33%、鳥類48%、両生類10%となった事例もあり(平野 2010)、繁殖期が進むにつれて鳥類(特にヒナや巣立ちヒナ)が餌に占める割合が増えている可能性がある。同様の傾向は、アフリカチュウヒCircus ranivorus、ヒメハイイロチュウヒCircus pygargus、ハイイロチュウヒCircus cyaneusでも報告されている(Simmons 2010,Arroyo 1997,Barnardほか 1987)。


越冬期

 越冬期のチュウヒの餌内容の割合に関する報告は少ないが、ホオジロなどの小型鳥類が9.4%、ツグミなどの中型鳥類が4.7%、カモなどの大型鳥類が38.6%、ネズミなどの小型哺乳類が31.9%、中型哺乳類が2.8%、魚類が1.7%だったとの報告がある(平野ほか 2005)。また、ペリット9個のうち、7個からは鳥類、4個からは小型哺乳類の痕跡が見つかった例もある(多田 2013)。
 直接の捕食例ではないが、ヨシ原内に造成した池ではカモの生息数が多かった時にチュウヒの採餌場所としての利用が増加した記録がある(平野 2015)。越冬期にはチュウヒがカモ類を襲う姿や、水辺のヨシ原での狩りが増えることからも、越冬期の餌に占めるカモ類や小型冬鳥の割合が増えていると思われる。また、死んだ魚を食べたり、他の猛禽類が捕まえた獲物を横取りする割合も増えていると思われる。


雌雄による餌の違い

 ヨーロッパチュウヒでは、一般的にメスは大きな獲物を捕るといわれている(Clarke 1995)。また、ヨーロッパチュウヒのオスが捕獲した獲物はヨーロッパハタネズミが最も多く、次いでヒバリなどのスズメ目が多かったのに対し、メスが捕獲した獲物はコイやオオバンが最も多く、次いでヨーロッパヨシキリが多かったとの報告もある(Witkowski 1989)。
 チュウヒ類ではオスの方がメスよりも体重が軽く機動力がある一方で、体格が小さいことで握力などが低いと考えられることから、チュウヒでも雌雄によって好む餌動物に差があるものと思われる。


<年齢による餌の違い>

 筆者の経験では、繁殖期においてジネズミや昆虫は、狩りを始めたばかりの幼鳥のペリットからしか見つからなかった。
 このことから、狩りの経験が少ないチュウヒは、成鳥が普段は食べない餌をそれなりの割合で食べている可能性もある。




チュウヒの採餌量

 アフリカチュウヒ及びハイイロチュウヒの1 日あたりの餌摂取量から求めたものでは、チュウヒの1 日あたりの餌摂取量は、成鳥が90g、幼鳥が140gと推定される(三重県 2002)。


ペリット(ペレット)

 チュウヒは餌のうち未消化物をペリット(ペレット)として吐き出す。
 ペリットの大きさは、長辺が6.0〜3.0cm、短辺が2.8〜1.6cmくらい。通常は固く締まっており、落としたくらいでは砕けない。主に獣毛や羽毛でできているが、骨や歯や爪などが混ざっていることもある(平野ほか 2005,多田 2011)。表面に骨が露出していることは少なく、一見すると黒色〜灰褐色の毛玉のように見える。ただし、カエルを捕食しても、ペリットの中から骨は出てこないようである(多田 2011)
 ペリットを吐出する頻度は不明だが、育雛中のヒナでは1日に最低1個は吐いているようである。ビデオカメラによる観察では、1度に2個吐いたのを観察している(多田 未発表)。

     



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